きれいな色をもっと着こなしたい 植村美智子の『AGおしゃれコンシェルジュ』

お客様からのご相談内容で、どのシーズンも上位に入ってくるのが「きれいな色を着てみたい」というもの。

この相談をされるお客様は、「クローゼットを開けたら、ベージュ、黒、ネイビー、白、ベーシックな色が並んでいるけど、好きだから選んでいるというより、無難だから、失敗をしないからという気持ちで選んでしまっているんです」と、話す方が多いのです。

読んでいてドキッとした方もいるのではないでしょうか。

「クローゼットの中に、きれいな色のアイテムを加えて着こなしを楽しみたいけど、うまく着こなせるかどうかわからないし、そもそも何をどう選べばいいのかわからない」ということのようです。

印象を華やかにしてくれる、きれいな色のアイテム。おしゃれを意識するのであれば、大人の女性が積極的に、コーディネートに加えるべきアイテムだと、私は思っています。

これからの季節、おすすめしたいのはニット。セーターです。

毛足の長さがあるので、ふわっと優しく発色してくれるニットから、「きれい色」にチャレンジしてみるのはどうでしょう?

気になる色や好きな色を
秋と呼ばれる季節になり、お客様とお店を回っていたり、撮影仕事でプレスを回っていたりして気になるのは、レッドとイエロー。オレンジ寄りのレッドや、ふんわり優しいイエローなど、お客さまたちを思い浮かべ、似合う方が多そうだなと思いながら見ています。

「そんなことを言われても、いきなり赤や黄色はドキドキしてしまう……」ということであれば、オレンジに近い、黄みがかったブラウン、キャメルから始めるのはどうでしょう? ブラウンの仲間なので抵抗が少ない人も多く、大人の女性がしっとり着こなしやすい色でもあります。

もちろん、ラベンダーやグリーン、ブルーなど、好きな色、着てみたい色でもOKです!

おすすめのデザインは
ニットのタイプは、気に入って着ているサイズ感やデザインのものと同じ形でOK。まずは、安心感のあるフォルムのニットで試すのがいいように思います。

あえておすすめをあげるのであれば、新鮮さもある、ゆったりしたサイズ感のVネックニット。

クルーネックなど、首元の詰まったトップスがここ数年の主流でしたが、この秋は、素敵なVネックのニットを見かけます。幅が細めの浅いVであれば、胸元が心もとなくなることはなく、すっきりきれいなネックラインを作ってくれます。

コーディネートするなら
「きれい色」初チャレンジの方がコーディネートを作るとき、真っ黒とは合わせない方が賢明です。黒は何にでも合う色と考えがちですが、黒に引っ張られて、きれいな色も強い色に見えてしまい、抵抗が出てくるかもしれません。

生成(きな)りやアイボリー、グレーなどと合わせて、優しく発色させてみてください。

デニム素材のボトムスとも好相性です。どんな色と合わせても素敵に見せてくれます。ライトカラーの水色のようなデニムのボトムスと合わせると、少し落ち着いた、しっとりとした印象にまとまります。

そして、柄物ボトムスとのコーディネートもおすすめです。柄の中に同じ色が使われているボトムスに合わせてみてください。そうすることでボトムスとのつながりが生まれ、よりなじみが良くなります。ニットの色を強く感じなくなるので、安心して着こなせるはずです。

一度、「きれい色」のアイテムを着こなしの仲間に加えると、抵抗が少なくなり、他の色や、他のアイテムにもチャレンジしていく方が増えます。そうなると、ファッションはもっと楽しくなりますよね。

このタイミングで、一歩踏み出してみてはどうでしょう?